3.11 陸前高田市がリアル仮設で防災の宿泊体験館を開設

写真説明:「3・11仮設住宅体験館」で再現された4・5畳の寝室

被災者向けのプレハブの応急仮設住宅をそのまま使用

東日本大震災の仮設住宅の暮らしを体験できる「3・11仮設住宅体験館」が岩手県陸前高田市米崎町にオープンした。震災後に建てられたプレハブの応急仮設住宅をそのまま使用した施設で、当時の暮らしの様子を見学したり、実際に泊まってみたりすることで、当時の苦労を学び、防災の意識向上に役立ててもらおうと設立された。

こちらの記事もおすすめ!→コロナ禍の選択「豪雨でホテル避難」の体験会!

仮設住宅はこう使われた

震災では、同市内で計2148戸の応急仮設住宅が建設され、2021年3月に全員が退去するまで最大で5635人が暮らした。

写真説明:すきま無く建てられた仮設住宅(2011年6月、陸前高田市で)

仮設住宅の一部をリアルな体験施設へ

体験館は、その仮設施設を使って市が2021年10月下旬に開設。旧市立米崎中の校庭にあった仮設住宅団地のうち2棟8戸を約7000万円かけて体験施設として整備した。

写真説明:実際に使われていた仮設住宅を整備した「3・11仮設住宅体験館」(2021年11月、陸前高田市で)

体験館には見学用と宿泊体験用に1~3DKの部屋があり、高齢者と夫婦、幼児の4人暮らしを想定した3DKの展示室では、避難生活の様子をリアルに再現した。6畳の居間には、ちゃぶ台や仏壇、本棚、テレビや子ども用のおもちゃが置かれ、狭い空間での生活をうかがい知ることができる。

写真説明:ちゃぶ台や本棚、おもちゃなどが所狭しと置かれた6畳居間の展示

壁に貼られた紙では生活者の生の声も紹介。「壁が薄く、隣の物音が聞こえる」「シャワーの音が響くので、午後8時以降は入れなかった」などといった苦労が記されている。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS