3.11 陸前高田市がリアル仮設で防災の宿泊体験館を開設

体験館の語り部が語る仮設暮らし

8年半暮らした佐藤さん

同館で活動する語り部2人も仮設住宅で暮らした経験者だ。その1人、佐藤一男さんは2011年5月、両親と妻、子どもの家族7人で3DK40㎡の仮設住宅に入居。8年半に及んだ狭い部屋での生活は心身ともに負担が多く、脳こうそくも発症したという。

写真説明:「この部屋でよく7人が食事をとれたな」と、体験館の6畳居間展示で振り返る語り部の佐藤さん

写真説明:冷蔵庫や洗濯機などを置くと窮屈だった台所の展示

佐藤さんは、「子どもに『近所の迷惑だから静かにしろ』と叱るのが一番つらかった。家の中で思いっきり笑って走り回って遊ばせたかった」と振り返りながら、「自身がいつでも被災者になりえると考えて見学してほしい」と話した。

開設後の反響

開設から2021年11月末までに約70人が見学に訪れた。体験館の管理運営を担う同市のまちづくり団体「トナリノ」の佐々木彩花さんは「仮設住宅での生活を直接見て体験し、ふだんの防災対策の見直しにつなげてほしい」と話している。

体験館の利用方法と料金

見学は無料(要予約)、語り部の依頼は8000円から。宿泊体験にはガイドツアーへの参加が必要で、宿泊体験料は1DK~3DK(1~7人)で1室1万1550円~1万3750円。別途、寝具代が1人1045円かかる。問い合わせは同館(090・2114・9038)。

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