記者の宿泊体験リポート
体験館の仮設住宅に記者が2021年11月下旬、実際に宿泊してみた。一時的に生活する意味では不自由はないが、狭い部屋での暮らしが5年や10年続くと想像すると、かなりつらいと感じた。
部屋の様子
宿泊したのは1DKの部屋。窓は一般的な住宅よりも小さく、圧迫感があった。また、居室は5畳しかなく、テーブルやタンスなどの家具を置き、布団を敷けば、足の踏み場はほとんどなくなる。
写真説明:記者が泊まった1DKの部屋
最もこたえたこと
特にこの季節は寒さがこたえた。サッシでできた玄関から居室に冷気が流れ込み、暖房を消すと、部屋の温度が急激に下がってしまった。
以前の取材で、6年間仮設住宅に住んだ女性が「刑務所に入っているような気分だった」と話すのを聞いたことがある。「仮住まい」での長期間の暮らしは、想像以上の苦しみがあるのだと改めて感じた。
早急に被災者に住まいを提供することが目的の応急仮設住宅。迅速さと快適さを両立させることは容易でないが、長期間の暮らしになっても対応できる工夫も必要だと感じた。
(読売新聞 2021年12月4日掲載 盛岡支局大船渡通信部・黒山幹太)
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