避難方法以外に心得ておきたいこと
非常時には頭が真っ白になってしまうことも
ただ、適切な避難方法を知っていても、非常時には頭が真っ白になり、正しく行動できない恐れがある。
非常時の心理状態に詳しい関西大の土田昭司教授(安全心理学)によると、人間の意思決定過程には「理性」と「感情」のルートがあるという。
火や煙を目にしても正しく行動するために
このうち、「理性」のルートは熟考する時間が必要で、脳が大量に酸素を消費する。火や煙を目にすれば、反射的に「理性」のルートを遮断し、瞬時に行動を起こせる「感情」のルートを優先。酸素を筋肉に多く振り向けるという。
しかし、「感情」のルートは経験済みの行動しか起こせないとされる。土田教授は「だからこそ、せめて1回でもいいので同僚らと一緒に、姿勢を低くして職場を歩いたり、階段で1階まで下りたりする訓練をしてほしい。そうすればしっかりと記憶に残るだろう」と呼びかける。
京都市消防局のパンフはウェブサイト(https://www.city.kyoto.lg.jp/shobo/page/0000271405.html)で閲覧できる。
(読売新聞 2021年12月24日掲載 科学医療部・山崎光祥、長尾尚実、石川千佳)
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