備蓄は何をどれぐらい?
水と食料は最低3日分、できれば1週間分の備蓄を心がけたい。
農林水産省は「水2L×6本×4箱」「米2kg×2袋」「缶詰18缶」など、1週間分(大人2人)の備蓄例をホームページ(https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/guidebook.html)で紹介。
◆家庭備蓄の例(1週間分/大人2人の場合)
災害直後は栄養が炭水化物に偏りがちといい、ツナやサバなどの缶詰でたんぱく質、常温で日持ちする野菜やドライフルーツでビタミン、食物繊維などを取るよう促す。
※農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」を基に作成
非常時を想定し、カセットコンロを使って家族で調理を体験しておくのもいいだろう。
家族構成によっては
要介護者がいる場合に注意することは何か。「日本ホームヘルパー協会おおさか」の中田哲人さんは「食べ物をのみ込む嚥下(えんげ)機能が衰えている人には、普段から食べ慣れた介護食を多めに準備しましょう」と助言する。お茶や水を飲む際の「とろみ剤」も必要だ。
独居の高齢者は、在宅避難だと外部の目が届きにくく、孤立する恐れもある。「日頃から近隣とコミュニケーションを取っておくことが大切」と中田さんは言う。
乳幼児がいる家庭はミルク(粉、液体)やレトルトの離乳食が必要になる。使い捨ての哺乳瓶もあるとよい。
トイレは必要数を必ず備えたい
断水になると、自宅の水洗トイレは流せなくなる。便座に袋をかぶせて用を足す携帯トイレを備えたい。袋内の排せつ物を凝固剤で固めたり、シートで吸水したりするタイプがある。「1日5回×1週間×家族の人数」分が備蓄の目安とされる。
在宅避難では、避難所にいるより情報収集が遅れがちだ。停電時でも使える携帯ラジオが役に立つ。手回し充電式なら電池切れの心配もない。地域にコミュニティーFMがあれば身近な情報を得やすい。事前に周波数を確認しておこう。
自治体の防災アプリなどの情報収集も
近年、自治体も防災アプリを開発したり、SNSで災害情報を発信したりするようになった。防災士の阪上聡さんは「普段から登録、活用しておけば、いざというときに慌てずに済む」と提案する。一方で、災害時は他にも様々な情報が飛び交い、根拠のないうわさやデマが含まれることもある。「出所が不確かなものはうのみにせず、公的機関のSNSなどで確認してほしい」と呼びかける。
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