実家の片付け!「捨てて」NG「防災」キーワードで進めよう

元気なうちに始める理由を専門家に聞く

なぜ、親の元気なうちに実家の整理を始めることが望ましいのだろうか。実家片づけ整理協会の渡部亜矢代表理事=写真=に、その理由を聞いた。

親が亡くなった後に実家を片付ける遺品整理は、子どもにとって思っている以上に心理的な負担になります。生前はどうでもよいと思っていた品々が、「大事な親の思い出」に変わってしまいがちだからです。片付けられずに放置してしまうと、空き家問題にもなりかねません。

また、親が亡くなる前でも、急な病気や、認知症の発症などで、病院や介護施設に入る場合もあるでしょう。実家の片付けは、印鑑や通帳、不動産の権利書など、重要なものをどこにしまってあるのかを確認しておく機会にもなります。

「もったいない」意識が強い場合

物のない時代に育った世代は、「もったいない」という意識が特に強い傾向にあります。「ブランド物だから」「孫が使うかもしれないから」などと、捨てることに抵抗があるようなら、一時保管を提案しましょう。

具体的には、段ボールやポリ袋に入れ、見えない場所にしまいます。捨てないので、親にとっても心理的なハードルが下がります。経験上、見えなくなると、それに対する気持ちが薄れていきます。半年ほどたって忘れているようなら、処分を検討してみてください。(談)

<ポイント>
◇捨てられないなら一時保管を提案
◇自分や家族の思い出の品が比較的少ない場所から始める

(読売新聞 2021年12月14日掲載 社会保障部・板垣茂良)

<関連する記事はこちら>
災害時 高齢者の避難の基本とは

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS