豪雨時の運転は「冠水」注意!(前編)どんな状況に陥るか

写真説明:台風で冠水した国道を走る車(2016年8月、静岡県伊東市で)(画像は一部修整しています)

大雨や台風などで道路が冠水した時

大雨や台風などによる水害が近年相次ぎ、道路の冠水がしばしば発生する。冠水での自動車の水没が原因とみられる死者も出ており、冠水時に運転する危険性について把握しておく必要がある。どんな備えや行動が大切か、水没の恐れがある際に車内からどのように脱出をしたらよいのか。架空のシナリオで考えてみる。

こちらの記事もおすすめ!→豪雨のとき川がなくても浸水リスク!内水氾濫に気を付けて

シナリオ1 大雨警報のなか娘を迎えに。アンダーパス…引き返す

朝から雨が続く中、自宅でテレワークをしていた会社員の太郎(42)。夕方、仕事が一段落ついてコーヒーを飲んでいると、高校1年の娘の花子(16)から連絡が入った。

「外は雨がひどくて自転車で帰るのは難しそう。学校まで車で迎えに来て」。外を見ると、窓に雨粒が打ち付けるほど雨脚が強まっていた。花子の高校から自宅までは歩けば40分程度かかる。傘を差して帰ってくるのは大変そうだ。

「そう言えば、テレビの天気予報では夜にかけて雨の勢いが増すと話していたな」。太郎が気象情報をスマートフォンで確認すると、1時間ほど前に大雨警報が発令されていた。最寄りのバス停も自宅から離れていて利用しづらい。「視界が悪い雨の中を運転するのは気が進まないが……」。太郎は自家用車に乗り込んだ。

自宅を出発したものの、横殴りの雨で前方が見づらい。カーナビに従って高校までの最短ルートを進むと、高架下のアンダーパスに行き当たった。「しまった」。アンダーパスは既に冠水しており、水がたまっていた。とても通れそうにない。「普段から冠水しやすい場所を確認しておけば」。悔やみながら迂回(うかい)ルートを探して引き返した。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS