災害時の避難所に命を守る「TKB」を!3大課題をイタリアに学ぶ

写真説明:熊本地震での避難所(2016年、熊本県西原村で)

災害関連死にかかわる避難所のTKB(トイレ・キッチン・ベッド)

災害時に避難所で命を落とす被災者が相次いでいる。100年ほど本質的に変わっていない避難所の環境が原因で、欧米との差も大きい。災害大国・ニッポンの取り残された課題だ。

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関東大震災の状況

1923年(大正12年)に発生した関東大震災。当時の避難所の写真には、板張りの床に敷かれた布団と密集する被災者らが写っている(=図)。

令和の避難所でも雑魚寝で冷たい食事

その後、日本は幾多の災害を経験した。だが、平成や令和の時代の避難所でも、学校や公民館で雑魚寝し、冷たい食事で飢えをしのぐ光景が続いている。

「災害なんだから、多少の不便は仕方ない」

災害で助かっても避難所生活で…

そんな意見は根強いが、日常とかけ離れた避難所生活は、健康に悪影響を与える。典型例が、避難所生活や車中泊で体調が悪化することによる「災害関連死」だ。2011年の東日本大震災では3700人を超す命が失われた。2016年の熊本地震では226人と死者全体の8割を災害関連死が占めた。日本人の我慢強さが、悲劇につながっていると言える。

写真説明:熊本地震での避難所(2016年、熊本県西原村で)

「TKB」改善を求める声

災害関連死に取り組む「避難所・避難生活学会」は、「TKB48」を合言葉に、避難所の改善を訴えている。質の高い「T(トイレ)K(キッチン)B(ベッド)」を48時間以内に整備することが、関連死を減らす重要なポイントだ。日本トイレ研究所などのアンケート調査でも、熊本地震の初期で最も困ったことの上位は「TKB」(=図)だった。

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