災害時の避難所に命を守る「TKB」を!3大課題をイタリアに学ぶ

同じ地震国であるイタリアはどうか

K(食事):地震当日に調理したてのパスタ

欧州有数の地震国であるイタリア。災害当日に避難所で調理したてのパスタがふるまわれる。数日後に肉料理やワインが提供されることもある。

◆災害発生初期における日本とイタリアの避難所での主な食事

説明:避難所・避難生活学会などへの取材に基づき作成

自治体がキッチンカー所有し、周辺自治体からも応援

医薬基盤・健康・栄養研究所の笠岡宜代・国際災害栄養研究室長によると、イタリアでは災害に備え、自治体が大型キッチンカーを所有している。被災した自治体には、周辺自治体からキッチンカーが急行する仕組みで、炊き出しまでの数日間、菓子パンやおにぎりといった食事が中心の日本とは対照的だ。

B(ベッド):雑魚寝の日本、大型テントのイタリア

体育館や教室に布団などを敷いて寝る生活は、ほこりやウイルスを吸い込みやすく、床から30cm以上の高さがある簡易ベッドが不可欠とされる。また、プライバシーの確保も重要で、雑魚寝を避けようと自動車での車中泊が増えれば、エコノミークラス症候群の危険性が高まる。イタリアでは、簡易ベッドと冷暖房機が設置された大型テントが家族ごとに用意される。

T(トイレ):和式トイレが多く高齢者には難

日本の避難所特有の悩みが、トイレだ。仮設トイレの多くは和式で、高齢者や障害者は使用が難しい。用便の回数を抑えようと食事を減らし、脱水症状や栄養失調になる被災者もいる。

和式が多いのは、丈夫で運びやすい工事現場用のトイレを利用しているためだ。災害・仮設トイレ研究会の調査によると、貸し出し可能な仮設トイレの7割超は和式という。

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