東京・新橋駅近くにある村上製作所の「送水口博物館」
高層ビルや地下街などで火災が発生した際、ポンプ車と建物の設備をつなぎ、消火用水を送り込む「送水口」。地上7階建て以上の建物などには設置が義務付けられている。ただ、まじまじと観察したことがある人は少ないのでは。そんな送水口の歴史や意義を学べる、ちょっと専門的な博物館だ。
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博物館は、消防器具を製造販売する村上製作所が2015年11月、開館。館長は同社の村上善一社長が務める。広さは24㎡。
写真説明:鏡のように反射するまで送水口は磨き上げられている
送水口の役割と特徴
送水口は、ビルの高い階などで消火活動を行う際に利用する。ポンプ車が消火栓からくみ上げた水を、送水口を通じて建物へ送る。送水口には強い圧力がかかるため、強靱(きょうじん)な材料が使われる。かつては青銅が多く使われた。
博物館の展示内容
ビルの最上階にある塔屋に入ると、国内でかつて活躍した送水口がずらりと並ぶ。保存状態が良好で金色に輝いているものや、さびついたものもある。
写真説明:博物館の説明をする村上善一館長。あまり広くないスペースに多くの送水口が展示されている
じっくり観察すると、「送水口」の表記に違いがあり、「STANDPIPE」(スタンドパイプ)、「SIAMESE CONNECTION」(サイアミーズ・コネクション)など様々だ。
写真説明:刻まれている表記は、時代によって異なる
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