ビル火災時の消火に欠かせない「送水口」の博物館

博物館設置の狙い

村上館長によると、1961年に制定された消防法施行令に「送水口」と明記されたことで、漢字表記の流れが進んだ。そのため、英語やカタカナ表記は現存数が少ない。村上館長は「日本での製造がなかったから米国から輸入していた、など歴史的背景がおもしろい」と語る。

送水口は万が一の際、命を守る大切な設備だ。ところが、石やゴミが詰められているものも少なくない。

「存在を少しでも多くの人が知れば、大切に扱う人が増えるかもしれない。知ってもらう機会を作ることが私の使命だ」と村上館長はいう。

写真説明:博物館があるビル屋上にも送水口などが並ぶ

説明を聞くごとに発見があり、「目を凝らせば貴重な送水口を見つけられるかも」と街を観察する視点が一つ増えた。

記者のもうひと推し

◆設置場所 忠実に再現

展示されている送水口は、村上館長自ら全国各地に足を運んで交渉のうえ、提供してもらっている。頑丈な壁面や大理石に埋め込まれたものなど、設置されていた「背景」は様々だ。

かつて港区西新橋のビルに設置されていた送水口は、長方形のタイルが貼られた壁面に、上三つ、下二つ並んでいたという。村上館長は「どうせ展示するなら少しでも精密に」と考えて、タイルの配置を採寸し、細かく再現した(=写真)。

「元いた場所の居心地を少しでも忠実に再現したい」という村上館長。送水口を愛してやまないその心が垣間見えた。

◆送水口博物館

館内で送水口のキャップを外して消防ホースをつなぎ、消防士の疑似体験もできる。新橋駅から徒歩5分、都営三田線内幸町駅から徒歩2分。

住所:東京都港区新橋2の11の1 村上建物ビル5階
開館時間:木曜、隔週土曜午後2時~7時(これ以外は電話で応相談)
入館料:無料
問い合わせ:電話03・3591・2188
開館状況は、ホームページ(http://www.zentech.co.jp/museum/)などでご確認ください

(読売新聞 2022年6月6日掲載 地方部内信課・石橋円 写真・黒瀬祐生)

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