写真説明:多摩川沿いでキャンプを楽しむ人たち(東京都奥多摩町で)
水難事故は川で起こりやすい
地球温暖化で豪雨災害が頻発する中、川の増水にも注意しよう。水難事故は台風などの後で増水した川で起こりやすく、局地豪雨による鉄砲水に巻き込まれる場合もある。気象情報をよく確認するほか、危険な場所を把握し、安全を考えた準備や装備を心がけたい。架空のシナリオで考える。
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シナリオ1 家族で川遊び 予報は「晴れ」で翌日から「雨」だった…が
ある夏の夜、太郎(40)は妻の花子(38)、長男の一郎(10)と食卓を囲んでいた。「明日が待ちきれない。天気は大丈夫かな」とうれしそうな一郎。翌日は家族3人で今年初めて、川遊びに出かけようと計画していた。
自宅から自動車で1時間ほどの河原で、川遊びやバーベキューをする予定だ。太郎がテレビをつけて天気予報を見ると、あすは「晴れ」で、あさってからは「雨」だった。
「よかった。天気も良さそうだ」と太郎。車のトランクにテントやバーベキューセットを入れる。「川遊びをするから一郎のライフジャケットも入れておかないとな」
迎えた翌朝。天気は良く、暑くなりそうだ。河川敷の駐車場に自動車を止め、河原でテントを組み立てた。さっそくバーベキューを始めた。
「外で食べるお肉は最高だね」と一郎は大喜び。「お父さん、川で遊ぼうよ」とはしゃぐ。「よし、行こうか。川に入るときはライフジャケットを着るんだぞ」と太郎。大人の分は用意していないが、浅瀬なので危険はないだろうと考えていた。
その頃、川の上流の山の方では黒い雲が発生していた。空が徐々に暗くなってきたが、遊びに夢中で気づかなかった。
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