保育施設や幼稚園の防災対策(前編)地震後津波警報で親は?

シナリオ3 夜間「一晩預かります」の連絡が来たが…

津波は幼稚園までは到達せず、園児も職員らも全員無事だった。

だが花子の自宅周辺は浸水し、とても近寄れない。太郎からは、混乱を避けるためにも会社に泊まるという連絡が入った。

高台の避難所に移った花子は、2人の子を迎えに園まで行くことも考えた。だが水没した道路を歩いて行くしかなく、停電の上、徐々に暗くなっていてあまりに危険だ。

その時、花子のスマートフォンに園から連絡アプリを通じてメッセージが入った。「子どもたちは全員無事で、園に被害もありません。迎えに来られない方のために、お子さんは一晩預かります」とのこと。ほっと胸をなで下ろした花子だったが、子どもたちの食事や寝具について不安になった。

幼稚園は保育園と違って昼寝はしないが、寝具はあるのだろうか。ご飯はちゃんと食べられるのだろうか――。そして、子どもや家族の防災にほとんど関心を持っていなかったことを後悔した。友人の子が通う保育園では毎月1回の避難訓練を行っていて、親が引き渡し訓練に参加していると聞いたのを思い出した。

「防災面について幼稚園と話し合っておけば」。人であふれる避難所で、花子は不安で眠れなかった。

(読売新聞 2022年8月12日掲載 「防災ニッポン 就学前施設」 生活部・石塚人生)

後編では、就学前施設における避難訓練の例や、保護者が確認しておきたいことなどを紹介します。

<関連する記事はこちら>
災害時は子育ても過酷に! 体験談をヒントに備えを

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS