いま首都直下地震が起きたら!どんな事態になるのか

写真説明:東日本大震災で電車が運休し、人であふれかえるJR新宿駅前(2011年3月11日)

首都圏に未曽有の被害をもたらした1923年の関東大震災。当時のようなマグニチュード(M)8級の地震がすぐに起きる可能性は低いが、阪神大震災と同じ規模(M7級)の地震はいつ起きてもおかしくないという。現代の東京で大地震が発生すれば、どんな被害が出るのか。起き得るシナリオで対処法を探る。

シナリオ 1 滑る、飛ぶ、家電…自宅

ある日の夕方。早めに仕事を終え、東京都内の自宅マンションでくつろいでいた会社員の太郎(30)は、「ドン」と下から突き上げるような揺れに突然襲われた。

転がるようにテーブルの下に潜り込み、無我夢中でテーブルの脚をつかんで頭を上げると、激しい横揺れで冷蔵庫が1メートル近く滑り、テレビが飛ぶのも見えた。食器棚は家具転倒防止用の器具で固定していたが、扉が開いて食器が次々と床に落ちて砕けた。

それから十数秒たった頃だろうか。揺れはようやく収まった。「痛っ」。割れた食器で足を切ってしまった。仕事中の妻、花子(29)は無事なのか。何度電話してもつながらず、SNSでメッセージを送ろうとしたが、通信が途絶えているようだった。

→家具転倒防止

大地震では、住宅や家具が凶器となりうる。1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅などは耐震補強を検討したいが、費用が多額で二の足を踏みがちだ。

まずは室内の家具や家電製品の固定が重要だ。L型金具やベルト式器具、突っ張り棒、粘着マットなどは組み合わせることで効果が高まる。寝室など滞在時間の長い場所は特に対策を怠れない。

住宅内の備え

家具類の転倒防止対策では、L型金具を壁の下地の間柱に合わせてネジ留めするなど、しっかり固定できるよう留意する。 火災対策では、たこ足配線など出火原因となりうるものを少しでも取り除く。コンセントとプラグの隙間にたまったほこりが湿気を帯び、漏電して発火するトラッキング現象にも注意。

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