一方、日本LPガス協会(東京)や東京ガスによると、ガスは震度5程度以上の地震が発生すると、自動的にガスメーターが供給を遮断するという。東京ガスの担当者は、「台所で火を使っている時に大きく揺れたら、まず身の安全を守り、収まったら火が消えているか確認しましょう」と助言する。
◆地震火災を防ぐ主なポイント
(総務省消防庁の資料を基に作成)
初期消火 家庭・地域で
対策が不十分で火災になってしまった場合は、延焼を食い止めるため、初期消火が必要になる。
防火対策に詳しい東京理科大教授の関沢愛さんは、「大規模地震が発生したら、消防は対応しきれない。来ないと思って、自分たちで初期消火に取り組まなければならない」と指摘。家庭で消火器を準備し、使い方や効果的に消火するコツなどを確認しておくよう勧める。
初期消火では地域の役割も大きい。自主防災組織などで、小型の消防ポンプや、道路にある消火栓などに差し込んでホースをつなぐスタンドパイプなどを用意し、訓練しておくことが大事だという。
ただ、住宅内で炎が自分の目の高さを超えれば危険なため、消火を諦めて外に出る。事前に、公園など複数の避難場所とルートを把握しておきたい。火災が多発した場合、風向きによって避難ルートを変える必要があるからだ。実際に安全かどうか見極めながら避難する。
関沢さんは「津波や土砂崩れによる被害と違って、地震火災は対策を取れば、被害を最小限に抑えられる。財産や地域を守るためにも、準備をしてもらいたい」と呼びかける。
◆火災への対策3か条
▽通電火災に注意
▽消火器の使い方確認
▽地域でも初期消火
(読売新聞 2020年8月13日掲載 「防災ニッポン 地震・備える」②)
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