地震への備え 住民自ら救助活動

具体的には、心停止の疑いのある人がいたら、

〈1〉119番するとともに、周囲の人にAED(自動体外式除細動器)を持ってくるよう依頼

〈2〉あおむけに寝かせて胸と腹部が上下に動いていなければ、呼吸はなく心停止と判断

〈3〉救急隊員が来るまでの間、心肺蘇生とAEDを使った救命を行う――の手順だ。

心肺蘇生は、心臓マッサージ(胸骨圧迫)30回と人工呼吸2回を、交互に繰り返す。心臓マッサージは、相手の胸の中央に、自分の両手のひらを下にして重ねて置き、肘を伸ばして強く押し下げる。人工呼吸は相手のあごを上げ、気道を確保して行う。

◆心臓マッサージの方法

AEDが到着すれば、電源ボタンを押し、音声ガイダンスによる指示に従って操作する。

ただ、新型コロナウイルスの流行下であることから、厚生労働省は5月、成人には人工呼吸を行わないよう求める指針を公表した。また、心臓マッサージの際、相手の顔にハンカチやタオルをかけるよう促した。同省では、「人工呼吸をしなくても、必ずしも救命率が下がるわけではない」としている。

身の回りの物を使った応急処置も覚えておきたい。ストッキングや風呂敷は包帯、傘や折り曲げた段ボールは骨折の際の添え木として代用できる。2本の物干しざおと衣類を組み合わせ、担架を簡易的に作ることもできる。

高橋さんは「いざという時は、手近なものを工夫して使わざるを得ない。柔軟な発想力で対処してほしい」と話している。

◆救命・救助3か条
▽救助用工具を備える
▽心肺蘇生を習得
▽身近な物を使って応急処置

(読売新聞 2020年8月14日掲載「防災ニッポン 地震・備える」③)

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