帰宅困難者になったら。覚えておきたい3か条

名古屋大減災連携研究センター特任教授(地域防災)の新井伸夫さんは「子どものことで心配事が少しでも減れば、より安心して会社などにとどまり続けられる」と指摘する。特別養護老人ホームや障害者施設などに家族が入所している場合も同様で、普段から連絡を密にしたい。

会社や一時滞在施設などにとどまった後、帰宅する際の備えも必要だ。交通機関がまだ動いていなければ徒歩になるため、会社に歩きやすい靴を置いておくといい。ラジオや、スマートフォンのバッテリー、栄養補助食品があれば、安心材料になる。

事前に会社から自宅までの徒歩のルートを確認しておき、夜間の移動は避ける。幹線道路沿いには、自治体と協定を結び、「災害時帰宅支援ステーション」として、水道水を提供したり、トイレを貸したりするコンビニやファミリーレストランなどが多くあり、利用したい。

◆「東京都防災アプリ」では地図上に、事前に公表されている一時滞在施設が赤い印で表示される

新井さんは「帰宅ルートのどこにコンビニなどがあるか、あらかじめ把握しておけば、探す手間が減り、疲れた体への負担を減らすことができる」と話している。

◆帰宅困難者3か条
▽3日程度はとどまる
▽個人でも食料などを備蓄
▽家族の安否確認の方法を事前に決める

(読売新聞 2020年8月15日掲載 「防災ニッポン 地震・備える」おわり 生活部・崎長敬志、及川昭夫、福島憲佑、梶彩夏、生活教育部・児玉圭太が担当しました)

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