豪雨時に都市部でおきる土砂災害(前編)自宅近くでもし起きたら…

写真説明:局地的な豪雨で土砂崩れが発生した現場(2014年8月、広島市安佐南区で)

大きな破壊力が住宅押し流し人命奪う

地球温暖化の影響とみられる大雨が増え、土砂災害の発生件数は増加傾向にある。土砂は大きな破壊力を持ち、一瞬にして住宅や人の命を奪い去る。山間部で起きる災害と思われがちだが、都市部など人が多く住む地域にも危険は潜む。土砂災害から身を守るためには、危険を予見し、いち早く避難する決断と行動力が必要だ。架空のシナリオで考える。

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シナリオ1 豪雨の予報を気に留めずにいつも通りに家を出た

1年前、会社員の太郎(38)は念願のマイホームを建てた。祖父から受け継いだ、なじみのある土地だ。山を切り開いた郊外の住宅地だが、車を飛ばせば30分ほどで繁華街にも行ける。自然が豊かで、近くには山も川もあり、のびのびと子育てできる環境だ。移り住んできた人も多く、気に入っている。

妻の花子(38)は、近くのスーパーでパート従業員として働いており、小学1年生の長男(7)と保育園に通う長女(5)とともに、にぎやかに暮らしている。

雨がシトシトと降っていたある朝、テレビでは豪雨の予報を報道していた。太郎の住む地域では昼頃から雨が強まり、記録的な大雨が降るおそれがあるという。気象予報士が土砂災害や低い土地の浸水、河川の氾濫に注意するように呼びかけていた。だが、太郎も花子も、「どうせいつも通り、たいしたことない雨でしょ」と、気に留めなかった。

準備などで朝はいつも多忙だ。子どもにご飯を食べさせ、着替えさせたら、出社の時間になった。太郎は気象情報をしっかりと確認しないまま自動車で会社に向かい、長男は近くの小学校へ登校した。花子はレインコートを着て、自転車で長女を保育園に送り届けた後、パート先に向かった。

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