防災学習プログラム導入「南三陸311メモリアル」
「あなたならどうするでしょうか」。東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町に2022年10月、震災伝承施設「南三陸311メモリアル」が開館した(=写真)。被災者の証言に基づく防災学習プログラムを取り入れ、災害を「自分事」として考えてもらう場だ。
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スクリーンに映し出されるもの
館内の3面スクリーンには、被災した町民らのインタビュー映像が流れる。プログラムの1つは町立戸倉小。避難場所を校舎の屋上(高さ約11m)にするか、約200m離れた高台(海抜約17m)にするかで意見が分かれた事例が紹介される。
写真説明:防災学習プログラムの映像を見る来場者
屋上には短時間で避難できるが、想定より大きな津波が来たら逃げられない。高台へは全校児童約110人が避難するまでに時間がかかる。当時の校長や教諭の証言で話し合いが重ねられたことが明かされる。
来場者が避難方針を考える
「屋上か、高台か」。映像が止まり、来場者に問いかける。さいたま市のパート従業員岡本祐子さん、仙台市青葉区の大学院生脩吾さん親子は話し合う。「時間がかからない屋上に行きたい」と祐子さん。脩吾さんは「海が見渡せる屋上にまず行く。それで何もなければ高台に行こう」と考えた。
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