テレワーク、キャンプ、パーティー…増えた家庭での需要
コンセントがなくてもどこでも電気が使える「ポータブル電源」(=写真)を、自宅などで普段使いする動きが広がる。安全な使い方や手入れの方法を知っておきたい。
千葉県八千代市の会社員男性(46)は、容量が約600Whのポータブル電源(約4万6000円)を自宅で活用する。キャンプや災害時のために購入したが、コロナ禍で在宅勤務をした際、リビング中央のテーブルの下に置き、ノートパソコンやモニターなどの電源として重宝したという。妻(46)と娘2人の4人暮らし。リビングのコンセントは壁際にあり、数も不足している。子どものパーティーなどで小型のホットプレートを使うこともある。「どこでもさっと電化製品を使えて便利です」と話す。
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ポータブル電源の仕組み
ポータブル電源は、リチウムイオン電池を内蔵し、コンセントなどから充電できる。液晶画面に消費電力やバッテリー残量が表示される。USBやACなどの出力源を備え、スマートフォンや調理家電など多くの電気機器を同時に使える。
多目的に活用できることから消費者の関心も高まり、メーカーのJVCケンウッド(神奈川)によると、2021年度の関連の売り上げは前年度比で約3割増。米国メーカー「Jackery」の日本法人によると、付属のソーラーパネルを含めた販売台数は世界累計で200万台以上という。
ポータブル電源の価格帯は…
家電ライフスタイルプロデューサーの神原サリーさんによると、近年、小型化や軽量化が進み、価格帯は2万~10万円前後。容量が大きいほど価格は高めという。神原さんも普段使いしており、「災害時に使えるよう、積極的に使って操作方法に慣れておくといいでしょう」と助言する。
写真説明:LEDライトや電気せいろなどにポータブル電源を活用する神原さん。「リビングでのテーブル調理にも便利。電気代の節約にもつながります」と話す
電気製品などの消費電力の合計が機器の定格出力を超えると自動で停止する。「一度に多くの製品を使う場合は、1000Wh以上の大容量タイプがお薦めです」という。
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