3.11の苦悩に寄り添う宗教者がたどり着いた「傾聴」の大切さ

認定臨床宗教師 坂本顕一さん(石巻市曹洞宗住職)

宮城県石巻市の曹洞宗の寺で住職をしながら、認定臨床宗教師として活動しています。認定臨床宗教師とは、布教を目的とせず、苦しみを抱えた人に寄り添い、被災地や医療の場で活動する宗教者を指します。活動を始めたのは、あの日の経験があったからです。

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東日本大震災の直後にしたこと

2011年3月11日。「ドーン」というすごい揺れに襲われました。石巻市内では約4000人が犠牲になりました。5日後、宗派の住職らと炊き出しを始めました。約7か月続け、仮埋葬や市立大川小学校を襲った津波の犠牲者の供養もしました。

写真説明:津波で大きな被害を受けた石巻市内(2011年3月12日)

避難所で寄せられた苦悩

避難所では、坊主頭の私に多くの人が声をかけてきました。「うちの人どこさ行ったのか」「どうして亡くなったのか」と。わずかな差で生死が分かれました。仏教の教えを話しても、気休めにしかならない。一宗教者として何ができるかと模索し始めました。

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