写真説明:降りしきる雪の中、家路を急ぐ人たち(2018年1月、東京・新宿区で)
電車の運休や交通事故の多発も
雪に不慣れな地域では、少しの積雪でも都市機能が揺らぎ、人々の生活に大きな影響が出る。2022年12月には、関東や東海、四国などの平野部でも雪が積もり、交通事故などが多発した。突然の積雪にどう備えたらいいか。架空のシナリオで考えたい。
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シナリオ1 警報の可能性を気に留めず出勤
会社員の太郎(38)は都市部の戸建て住宅で、妻の花子(38)、幼稚園に通う長男(5)と暮らしている。
ある冬の朝、テレビでは「都市部でも大雪警報が出る可能性がある」と報じていた。
雪が珍しくない地域出身の太郎は、「実家近くでは50cm以上の雪が積もったこともあるぞ。雪合戦をしたり、雪だるまを作ったり、楽しかったな」と懐かしんでいる。雪をあまり見たことがない長男は大喜びだ。
太郎は、「都市部で大雪といってもたいしたことはないはずだ」と気にも留めない。折りたたみ傘をかばんに入れて、いつも通り電車で会社へ向かった。
昼頃から雪が降り始めた。太郎の職場では大雪を見越して、「電車が動かなくなる前に早めに帰るように」というアナウンスがあった。だが、納期の近い仕事を多く抱えている太郎は、「雪だからといって、そんなに早く帰れるわけがない」とつぶやきながら、仕事を続けた。
夜に仕事を終えた太郎がスマートフォンでニュースを確認すると、自宅に向かう電車は止まっていた。「しまった」。タクシーで帰ろうと思い、近くのタクシー乗り場に向かったが、すでに長い行列ができている。「今夜は会社に泊まるよ」。花子に連絡し、会社に戻った。
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