都市部で大雪(前編)家や家族はどうなる?

シナリオ3 雪がやんでも残る危険

翌朝、花子が目覚めると雪は20cmほど積もっていたが、快晴だった。停電も夜のうちに解消したようだ。早朝に動き始めた電車で太郎も帰宅した。きょうは休暇を取るようだ。花子はほっと胸をなでおろした。

自宅の玄関先には大量の雪が残っている。雪かきをしようにも、スコップがない。「お湯を流せばいいかしら」などと花子が考え込んでいると、隣の家の夫婦が雪かき用のスコップを取り出し、玄関周りの雪を除き始めた。声をかけると、「終わったら、貸しますよ」との申し出。太郎が恐縮しながらスコップを借り、自宅の雪かきを終えることができた。

「公園で雪合戦をしよう」。長男の希望で、家族で近くの公園へ向かった。日陰の歩道は凍っていて、長男は何度も滑って転んだ。手をつないで歩く花子も尻餅をついた。「イタタタ、手首をひねってしまったみたい」。履き慣れたスニーカーで出てきてしまったが、どうやら雪道には不向きだったようだ。通りの向こう側では、高齢者が転倒する姿が見えた。

スマホを操作しながら歩く太郎を見て花子は、「危ないからやめた方がいいわよ」と注意した。太郎はうなずきながら、「雪にこれほど振り回されるなんて。雪を甘く見ていたな」と反省した。

(読売新聞 2023年1月13日掲載 「防災ニッポン 雪に不慣れな地域」 生活部・林理恵)

後編では、過去に都市部で降った大雪の例や、大雪への備えなどを紹介します。

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