写真説明:宮崎県延岡市上空から撮影した日向灘(奥)(2015年4月)
「達人の備え」今回のテーマは「南海トラフ地震臨時情報」です
このコーナーでは、京都大防災研究所の研究者が減災のヒントを伝えます。今回は、山下裕亮助教(観測地震学)です。
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日向灘沖も南海トラフ地震の想定震源域
私は防災研究所宮崎観測所(宮崎市)で、沖合の日向灘で起きる海底地震を研究しています。関西や四国東部からは離れていますが、気象庁の「南海トラフ地震臨時情報」に関係するため、こうした地域の方々も観測結果は無視できません。
M6・8以上の地震で発表される「臨時情報」
日向灘を含む南海トラフのどこかでマグニチュード(M)6・8以上の地震が発生した場合、気象庁は直後に「調査中」という臨時情報を発表します。その後、地震の規模を精査し、M7以上8未満であれば「巨大地震注意」を発表します。
◆南海トラフ地震の想定震源域
日向灘ではM7前半の地震が数十年に1回の頻度で起きますが、直ちに南海トラフ地震につながることはまれです。日頃の備えを再確認し、通常の社会活動を続けてください。
一方、M8以上の場合は「巨大地震警戒」が出されます。従来は東海沖、四国沖での発生が想定されてきましたが、我々の研究で日向灘でも起き得ることが分かり、対策を見直す必要があると感じます。
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