水害への備えを! 三井住友海上×福島県伊達市 被災者支援の取り組み

Sponsored by 三井住友海上火災保険

福島県伊達市・須田博行市長(右)×三井住友海上火災保険・松井洋介福島支店長(左)

近年、各地で頻発する大規模水害。損害保険会社ならではの被災者支援として、三井住友海上火災保険(本社・東京)が2021年8月から始めた取り組みが注目されている。損害保険会社が保険金を支払う過程で得た損害調査情報を契約者の同意の上、自治体に提供し、災害時の支援金受給などに必要な「罹災(りさい)証明書」発行手続きの迅速化に役立てる。「被災者生活再建支援サポート」と題し、2022年8月31日時点で54の自治体で導入済み。2022年5月に提携を結んだ福島県伊達市の須田博行市長と三井住友海上火災保険の松井洋介福島支店長に取り組みの意義について話し合ってもらった。(※撮影時のみ、マスクを外しております。)

※罹災(りさい)証明書:市町村が被災家屋の状況を調査して「全壊」「半壊」など被害の種類や大きさを判定し、その結果を証明する書類。法律に基づいて、生活再建のための支援金の受給や、納税の減免や猶予、そして応急仮設住宅への入居などの際に必要となる。

自然に恵まれた中通りの街「福島県伊達市」

須田博行・伊達市長(以下、須田) 福島県は太平洋側の「浜通り」、新潟県に接する「会津」、そしてその間の「中通り」の3地域に分かれ、伊達市は中通りの北部に位置し、宮城県と接しています。06年に5町が合併し誕生した街で、人口は約5万8000人になります。

満開の桃畑(福島県伊達市)

近年、台風で河川が氾濫し、深刻な水害も発生するように

松井洋介・三井住友海上 福島支店長(以下、松井) 私は福島に赴任して自然の恵みの豊かさを実感しています。一方でこのところ、自然災害が全国的に頻発し、激甚化しています。伊達市では「防災」という観点で、どのような取り組みをされているのでしょうか?

須田 2011年3月の東日本大震災の記憶も未だに生々しいのですが、近年でも19年10月の東日本台風、21年2月と22年3月に起きた福島県沖地震など、自然災害が相次ぎ、伊達市でも多くの市民が被災しました。

松井 特に東日本台風の際は河川の増水などで浸水被害などもあったと聞いております。

須田 市内北西部を阿武隈川が南から北に向かって流れています。普段は穏やかなのですが、台風の進行方向と重なり、福島県では最下流域に当たることもあって、時に大きな被害になることがあります。19年の東日本台風の時もそうでした。台風19号の豪雨で、市内の五つの川が氾濫し、多くの家屋が浸水被害を受けました。住宅で1130棟、作業小屋など住宅以外の建物で1207棟に被害がありました。この災害を受けて、小学校などにある25メートルプールいっぱいの水量を約10分で排水できるポンプ車を2台導入。水害に対応する防災行動計画も策定し、市民とも共有を図っています。

福島県伊達市・須田博行市長

被災者の生活再建を支援するために三井住友海上と結んだ協定

松井 自然災害の際は、市民の生命・財産を守ることが行政の大きな役割ですが、その後の被災者の生活再建支援も重要になりますね。

須田 災害が発生すると、避難所の運営や被災者のケアなどに多くのマンパワーが必要となります。浸水被害による支援金支給を行うためには、被災家屋の被害状況を一件ずつ回って調査をしなくてはなりません。

松井 その時のご苦労を、弊社とパートナー関係にある福島信用金庫の方と地域貢献策を話し合っている時にうかがい、伊達市を紹介してもらいました。それが今回の協定締結につながりました。東北では協定を結んだ初の自治体となります。

三井住友海上火災保険・松井洋介福島支店長

須田 住民サービス向上という観点からも、ありがたい提案だと思い、迷うことなく御社と包括連携協定を結びました。その概要を説明していただけますか?

松井 通常、被災者は罹災証明書を発行する自治体と、保険金を支払う保険会社に被害調査の申請をして認定を受ける必要があります。ところが、災害が大規模になると、自治体の調査負担も増え、証明書の発行に時間のかかる場合がありました。そこで弊社では、保険金支払いのために調査した被災家屋の写真や被害状況を、契約者の同意を得た上で、罹災証明書発行のための資料として無償で、協定を結んだ自治体に提供するサービスを昨年8月から始めています。

罹災証明書発行手続きを支援する「被災者生活再建支援サポート」

須田 すべてを任せきりにすることはできませんが、それでも調査を行うための多くの労力を他の分野に割くことができるのは自治体としてのメリットです。被災された方にとっても、市と保険会社が同じような調査をするのにその都度立ち会わなくて済み、調査から支払いまでの期間も短縮されるということであれば、住民サービスにもつながります。

松井 今回締結した協定は「安心と安全を提供する」という弊社の経営理念に基づいた活動で、損害保険会社にしかできない取り組みだと思っています。今後も市民や市の職員の方たちと話し合いを重ね、円滑な情報共有のあり方などについて精度を上げていきたいと思っています。

須田 私たちが行う防災対策に万全ということはありません。市民の安心と安全を維持するために、平時からあらゆることに備えておく必要があります。三井住友海上火災保険との協定締結もその一つ。同社からのご提案には感謝するばかりです。これをきっかけに、災害発生時の被災者の生活再建を迅速に図れるように同社に加え、他の関係機関とも協力しながら、今まで以上に積極的に取り組んでいきたいと思っています。

デジタルを駆使した被災状況調査の実際とは?

実際の被災状況の調査はどのように行われるのか? 三井住友海上火災保険損害サポート業務部の角倉(かくぞ)数彦業務チーム課長に教えてもらった。「立ち会いによる損害調査はもちろんのこと、迅速な保険金支払いを行うため、デジタル技術を活用しているのが特長です」と角倉さんは話す。その一つは「チャットボット」。スタッフによる立ち会い調査の代わりに、被災者がスマホでチャットボットの案内に従って、浸水の高さを撮影した写真や家屋の構造の情報などを送って損害額を算出するというもの。スマホさえ操作できれば、調査に立ち会う手間も省け、最短で調査から支払いまで3日で済む場合もあるという。

もう一つのデジタル活用が「ドローン×AI」。ドローンで被災地を上空から撮影し、高精度な3Dモデルを作成し、データを分析することで浸水の高さを算出する(ただし、AIドローンによる調査は災害規模などに応じて同社が判断)。「こうした精緻な調査結果を無償で自治体に提供することで、罹災証明書の迅速な発行が可能になります」と角倉さん。


ドローン×AI・チャットボット

すでに54の自治体で導入されており、今年8月の豪雨では、新潟県や石川県などで、罹災証明書発行のために、このサービスを活用。国もこうした連携を後押ししている。今後、データを蓄積していくことで、より調査の精度も高まっていくことも期待される。同社では今後、最先端のデジタル技術を活用しながら、防災のための情報提供を行っていくことも検討している。

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